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空気が読めない主人公とめんどくさい人の所作を描いた人間ドラマ小説『雨夜の星たち』

  • sw2406
  • 2024年8月22日
  • 読了時間: 3分

更新日:2024年11月20日




価格・出版社・ページ数


価格   :1500円+税


出版社  :株式会社 徳間書店


ページ数 :226ページ


著者情報

著者・受賞歴

寺地はるな

1977年佐賀県生まれ


2014年『ビオレタ』でポプラ社小説新人賞を受賞


2020年『夜が暗いとはかぎらない』が山本周五郎賞受賞


2021年『水を纏う』が吉川英治文学新人賞候補、同年河合隼雄物語賞受賞


2023年『川のほとりに立つものは』が本屋大賞9位受賞

『わたしたちに翼はいらない』が大敷春彦賞候補


他執筆作品

『こまどりたちが歌うなら』『白ゆき紅ばら』『カレーの時間』等…


本の簡単な紹介・あらすじ



三葉雨音は他人に感情移入できない26歳


同僚の星崎君の退職を機に仕事を辞め


移動手段のないお年寄りの病院送迎や雑用をする「しごと」をはじめる


登場人物


三葉雨音:26歳 職業:お見舞い代行 他人に興味がない


霧島開 :三葉の雇い主 喫茶店の店主 ホットケーキが苦手


リルカ :スナックで働く 共感性が高い 霧島の彼女


星崎聡司:三葉の元同僚 湯気が立つものが苦手 失踪中



面白かったところ


同調圧力が強めの現代社会において空気を読まない主人公の視点が真新しく感じた


話全体を通して何かしら大きく成長をした、何か成し遂げたというわけではないが

『しごと』を通して依頼人と触れていくにつれて少しの変化と変わらないものを描いた作品となっている


主人公の雨音は空気が読めないが故に言葉を額面通りに理解するが


ある意味人の感情に敏感であるが故に言葉の裏を理解しないようにしているのが話を通して見えてくる


読了時間

4時間


評価

読みやすさ

会話と地の文がいい割合でとても読みやすい


テンポ感

ゆっくりと流れていくストーリーであるがテンポ感はよい


分かりやすさ

読み手のとらえ方によって変わってくる


総評

人間ドラマがしっかり描かれている良い小説だと思う


 どんな人におすすめ


・人に気を遣うのに疲れる人


・空気が読めずに悩んでいる人


合わないと思う人

・空気が読めない・気を遣えないのを見ていら立つ人


総括・感想

対象年齢

20~30代


おすすめ度:★★★★☆


感想



現代の人にとても刺さる作品だと思いました


依頼人たちはどことなく一癖二癖あるような人たちでそれぞれ色々なものを抱えています


このような人たちに普通の人は必要以上に寄り添ったり空気を読んで何かしてあげたりしてしまうかもしれないが


あまり空気を読んでしまうと理解したと思って間違えてしまったり一線を踏み越えてしまうし逆に空気を読み過ぎて触れることができない物もある


感情に振り回されてしまうととても疲れてしまう、高頻度で会うならなおのこと


空気を読まないのも悪いことばかりではないとわたしは思いました


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